2008年12月 2日

バンク・ジョブ

70年代の幕開けと同時に、アイルランド紛争激化という騒然とした世の中を迎えた
ロンドンで英国全土を揺るがす大事件が発生する。実際に起きた事件を映画化し、
王室スキャンダルまでもが世に出てしまうという前代未聞の作品。
実話を基に描かれてるだけに90パーセントが事実(!?)という驚くべき情報を
目の当たりに出来る作品である。

  081202_bankjob_main.jpgロンドンのベイカー・ストリートにある銀行の地下に強盗団が侵入、貸金庫内の
現金や宝石などを強奪し、行方をくらました。英国全土へ数日間トップニュースとして
報じられた後、突如としてその報道は打ち切られたのである。
その裏に英国政府の秘密が隠されていたのである。

おもしろおかしく描くなら「オーシャンズ11」のようにプロの強盗団の手口を描くほうが
観ていて楽しくて笑えるだろう。だが本作は実話をベースに描かれてる為、
プロの強盗団じゃない。普通の小悪党が7人集まり、地下からトンネルを掘り、
銀行の貸金庫まで到達できて普通に金品を強奪し逃げた...
というだけで終わるハズだったのに盗んだモノの中身が良くなかった。
もともと銀行の貸金庫を狙って金品強奪を誘って来たのは、
中古車屋のテリー(ジェイソン・ステイサム)の昔馴染みの女性マルティーヌ。
悪い話でもないと話に乗って、友人のカメラマンのケヴィンや映画のエキストラを
やっているデイヴや詐欺師のガイ、掘削の専門家バンバスを仲間に入れて
実行することとなる。

前半から、テリー演じるジェイソン・ステイサムの綿密でもない計画と当時の
ありふれたやり方に納得しつつ、そんなに簡単に?!ってほど事は進む。
だが次第にマルティーヌが抱えている裏の真相、そしてそんな裏の政府の手を
知ってしまう強盗団の7人の命に関わってくる問題が次から次へと発生するのである。
どこから片付けたら良いものやら?
とまで色々な"裏"世界から狙われてしまうのが心臓に悪い。
小悪党だけに一発逆転のチャンスには、かなり厳しい状況に巻き込まれてしまう。
そんな状況をリアルに描かれた本作は恐ろしい世界を垣間見てしまったかのようで
国家とは怖い"裏"を抱えてると改めて知ることになるのかもしれない。


映画「バンク・ジョブ」オフィシャルサイト
http://www.bankjob.jp/
奪ったブツは、
キャッシュとダイヤと王室スキャンダル。
11月22日よりシネマライズ ほか全国順次ロードショー
(C)2007 Baker Street Investors, LLC. All Rights Reserved.


【映画ライター】佐藤まゆみ

2008年6月 9日

リボルバー

080609_revolver.jpgリュック・ベッソン製作、ガイ・リッチー監督・脚本、更にジェイスン・ステイサム主演のサスペンスアクション「リボルバー」。

カジノ王マカ(レイ・リオッタ)の罠にはめられ7年間の投獄生活を送ったギャンブラーのジェイク(ジェイスン・ステイサム)。
出所後、自分を騙したマカのカジノへ行き、ジェイクはカジノで一儲けしマカへの復讐を始める。ジェイクの更なる復讐を恐れたマカは、
殺し屋にジェイクを消すよう指示する。だが、運良くジェイクの命を救ったのはザックとアヴィだった。
この二人組は何者なのか解からず、ジェイクは二人の護衛と引き換えに全財産を渡すことになる。

それからのジェイクは二人組と共に貸し金業を手伝わされる。だがここからが本番だ。誰が騙し、騙されているのかは判断しにくい。
闇組織で繰り広げられるトリックによって何が本当なのか最後の最後にようやく理解できるようになっている。
長い投獄生活でジェイクが学んだのはチェスと詐欺。この二つの方程式が組んだ時、本当の意味でのリボルバー(=回転する者)が始まる。

リュック・ベッソンにガイ・リッチーとくれば、考え付かない仕掛けが待っていて観客の心を最初から最後まで掴みっぱなしに違いないという期待が膨らむ。
しかもジェイスン・ステイサムの渋い顔つきと紳士なアクションの展開にも期待が膨らむ。
だが、今回は今までとは一味も二味も違うジェイスン・ステイサムの顔が観れるのもガイ・リッチーの深い脚本のおかげだとも言えるだろう。

公式サイト
http://www.astaire.co.jp/revolver/main.html
(C)2005 EUROPACORP - REVOLVER PICTURES LIMITED
6月7日よりシネマライズ他全国順次ロードショー

【映画ライター】佐藤まゆみ

2008年4月11日

パラノイドパーク

ガス・ヴァン・サント監督・脚本の最新作「パラノイドパーク」。
080411_paranoido.jpg16 歳の少年アレックスは、はじめたばかりのスケートボードに夢中になっている普通の高校生。
スケートボードをする若者たちが集まる"パラノイドパーク"へ友人と出掛ける週末が気に入っている。
だが、その日友人は恋人と出掛けてしまいアレックスは一人でパラノイドパークを訪れる。
それが誤ってひとりの男性を死なせてしまう結果を生み出してしまう。目撃者は誰もいない。
アレックスは何事も無かったように日常生活を送る。
ただ、アレックスにとって、その瞬間を境に全ての世界が変わって見えていく。
言葉にならない感情、誤って人ひとりを死なせてしまった秘密を抱えながらも顔色ひとつ変化せずに日々を送る。
だが彼の思いは映像の中で流れる不協和音のような、その場にふさわしいのか解からない音楽に包まれる。
アレックス演じるゲイヴ・ネヴァンスの天使のような美しい顔立ちからは思いもよらない気持ちがあふれる。
彼、彼をとりまく両親や彼女との関係が心の中がアンバランスで不安定に訴えて来る。
苦しみとの葛藤が入り混じる映像と音楽が彼のすべてなのかもしれない。
彼が今後どう生きるのかは誰にも解からない。
ただ16歳という少年の心に近づくことが出来た作品は生まれて始めてかもしれない。

http://paranoidpark.jp/index.html
4月12日 シネセゾン渋谷他にて全国順次ロードショー
(C)2007mk2

【映画ライター】佐藤まゆみ

2008年2月12日

アース Earth

東京国際映画祭でも上映されたドイツ&イギリス合作のドキュメンタリー。「ディープ・ブルー」「プラネットアース」のスタッフが撮影に5年をかけて、機材は特殊なカメラを使い、音楽もベルリンフィルハーモニー管弦楽団を使用と金の掛かった大作になっている。日本語吹き替え版は、渡辺謙さんがナレーションを担当。

出演は、北極グマ、アフリカ象、ザトウクジラ、アムールヒョウ、ホッキョクギツネ、ニシバショウカジキ。

50万年前、巨大な隕石がまだ若かった地球に衝突した。その衝撃は計り知れず、惑星そのものを23.5度も傾けてしまう。しかし、この衝突事故は大惨事となるどころか、我々が知っている"生命の星・地球"の誕生に重大な役割を果たすこととなったのだ。
この傾斜がなければ、今のような驚くほど多様な地形や四季の移ろいもなかっただろう。そして、生命が生息するための完璧な条件も揃わなかったのだ。太陽を道先案内人として、我々はかつてない旅路へと踏み出す。

北極から始まり地球をグルッと廻ってまた北極で終わり、現在の地球の生態系を地上・空・海と様々な場所から紹介してくれる。見所は、ライオンが集団で象を襲撃したり、サメが水面から飛び出して獲物を取る貴重なシーン。

98分 1月12日より日比谷スカラ座ほかにて、なんと子供料金を500円にして全国ロードショー。
 

【映画ライター】気まぐれ飛行船

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

ローワン・アトキンソンのMr.ビーン劇場版の10年ぶりとなるシリーズ第2弾!!

共演は、「スパイダーマン」のウィレム・デフォー。監督は、スティーヴ・ベンデラック。

舞台は"花の都"パリ、そしてカンヌ!教会のくじ引きで1等賞を当てたビーンは、副賞のビデオカメラを手に南仏で過ごす1週間のヴァカンスに旅立つ。
しかしこのオトコの行くところ、トラブルのタネは尽きず、それどころかスケール&ヴォリューム・アップ!フランス語なんかもちろん喋れず、唯一話せる言葉といえば、"グラシアス!"←(それ、スペイン語じゃん!)。
レストランに入ればおすすめメニューのエビやカキを相手に大騒ぎ!そして、サイフもパスポートも失くしてあっという間に無一文!そんなデタラメ道中のさなか、知り合ったのが10才の少年ステパン。ロシアの映画監督を父に持つその少年は、父親と共にカンヌ映画祭に向かう途中、ビーンのせいで父親とはぐれてしまったのだった。しかも、知らない間に誘拐犯にされていた。
言葉通じぬ小さな相棒を父親の元に送り届けるため、ミスター・ビーンのフランス縦断カンヌ行き、爆笑アドベンチャーが幕を開ける!

シリーズ2作目で、これで完結となる相変わらずのドタバタコメディー。なんと、実際のカンヌ映画祭で撮影しているという珍しい設定。ウィレム・デフォーは、カンヌで上映されるナルシストで主演まで兼ねる監督役。これってモデルは誰?道中をビーンがずーっと撮影していて、時々映像までビーンのカメラ映像になったりと� △靴弔海い隼廚辰燭蕕修譴��舛砲覆辰討い毒柴澄�
上映時間が短いので、エンドロールが終わるまで席を立たないように。オマケが付いています。

89分 1月19日より日比谷みゆき座ほかにてロードショー

28 週後

2002年に公開された「28日後…」の続編。

出演は、ロバート・カーライル、ローズ・バーン、ジェレミー・レナー、ハロルド・ペリノー、キャサリン・マコーマック、マッキントッシュ・マグルトン、イモージェン・プーツ、監督は、「10億分の1の男」のファン・カルロス・フレスナディージョ。

少し未来のイギリス。感染すると凶暴性を引き起こし見境なく他の人間を襲うようになる、人間を激変させてしまう“RAGE(レイジ)”ウイルスが猛威極める中、ドンと妻のアリスは他4人の生存者と共に山荘に立て籠こもっていた。そんな暮らしの続くある日、戸を叩いて助けを求める子供の声がした。離ればなれの子供が恋しいアリスは、独断で子供を中に入れる。すると、彼を追ってきた感染者たちの強襲が始まった。逃げる住人たちが次々と犠牲となり、子供を必死で守りながら逃げるアリスも、つい退路を断たれる。そんな絶体絶命の妻の姿を目にしながらも、自分が生き抜くためにドンは彼女を見捨てる。そして感染者たちを振り切って、ただひとりボートで脱出を果たすのだった。
ウイルス発生から15日後、英国全土隔離。28日後、全土汚染。5週後、最後の感染者死亡。11週後、米軍主導のNATO軍派遣。18週後、感染の恐れなしと認定。24週後、復興計画開始。しかし“RAGE”は誰に知られることもなく、あるひとりの体内に潜伏していたのだ。そして「28週後…」。無情にも “人を愛すること”が引き金となって、再び目覚めた。

ウィルス感染して凶暴化した感染者達が、襲う人もいなくなり餓死して死滅した。事故から28週後に国外に逃げていた人達が戻ってくるが、特殊な遺伝子により感染したのに生き残っていた人が居たから、さあ大変。軍はその一角を閉鎖して焼き尽くそうとする。
規模も展開もパワーアップ。イヤー、これ凄すぎです。今まで見てきたこの手のゾンビ作品の中で、一番強烈だった。特に、ヘリコプターのあのシーンが…。よく、R−15でOKが出たもんだ。

101分 1月19日よりスバル座ほかにてロードショー